津軽半島・龍飛崎シーサイドパーク周辺を散歩
竜浜海岸の謎の湧き水。 |
近づいてみると、けっこうな湧出量。 |
湧出部をアップ撮影。さわってみたが、お湯(温泉)ではない。 |
ごぼごぼ湧き出して、ジャバジャバと海へ流れていく。 |
龍飛崎の国道339号線の自動車道終点から南西方向に下る細い急坂の道がある。
その坂を海岸まで下りると、バンガローやケビンハウスやキャンプ場のある龍飛崎シーサイドパークに着く。
名前はハイカラだが、人けのない、どことなく寂しいパークだ。
今日は風が一段と強かったので、ほとんど人が訪れてなかった。
青函トンネル記念館が新型コロナ感染拡大防止対策で閉館しているせいもあるのか。
青空に浮いた雲が、強風のせいでみるみるうちに形を変えていく。
津軽海峡雲景色♪
そんな光景も、どことなく寂しい。
人は大自然を間近にして、自身の非力さを痛烈に感じるから寂しい気分になるのだろう。
だが、この「裏龍飛」みたいな雰囲気は、なかなかイイ。
龍飛崎再発見である。
クルマからおりて、竜浜海岸と呼ばれている海辺に出ると、上の写真のように、波打ち際に湧き水が出ているところがあった。
自然の湧き水のように見える。
山の中を伏流している地下水路の出口が、竜浜海岸の波打ち際にあるのだろうか。
のぼり竜のように勢いよく飛び出している湧き水があるから竜浜海岸と命名されたのか。
と思ったりしたが、そのことを記した看板はどこにも見当たらない。
まさかねえと思いながら、さわってみたがお湯ではなかった。
人けのない海岸で、黙々と湧いては津軽海峡へ流れていく水。
荒々しい風景のなかで、延々と繰り返されている実直さにはこころ打たれる。
なんて、ちょっと大げさだろうか。
この湧き水の正体を知りたくて帰宅してからいろいろ調べてみたら、やはり青函トンネル関連であった。
青函トンネル内で発生している湧き水を、北海道側と青森県側が複数のポンプでくみ上げているとのこと。
その一部が竜浜海岸に排出されているようだ。
排出と言っても、工業用水と違って自然の湧き水をポンプでくみ上げて自然に還しているのである。
外ヶ浜町では「龍飛地区小水力発電所」を建設し、排出水を利用して発電事業を行っている。
発電された電力は、龍飛崎シーサイドパークのバンガローやケビンハウスの電源となっているとのことである。
シーサイドパークから自動車で2分ぐらい走ると、中泊町小泊地区の袰内(ほろない)に入る。
袰内から南側は、津軽半島の秘境である。
火山岩による岩石海岸と、人を寄せつけない急傾斜地と風衝地。
津軽半島のサンクチュアリとなっている。
津軽半島のサンクチュアリである裏龍飛(袰内)から、青函トンネル記念館などがある「表龍飛」方面を眺める。
この大自然のなかに人間は、なんと巨大な人工物をつくってしまったのだろう。
そんな感傷におそわれた。
感傷ついでに、若い頃読んだ太宰治の「津軽」の一節を下に掲げよう。
主人公である「私(太宰治)」が暴風雨のなかを友人と竜飛の集落にたどり着いたときの描写である。
竜飛の集落を、鶏小舎と間違えるなんて。
クルマからおりて、竜浜海岸と呼ばれている海辺に出ると、上の写真のように、波打ち際に湧き水が出ているところがあった。
自然の湧き水のように見える。
山の中を伏流している地下水路の出口が、竜浜海岸の波打ち際にあるのだろうか。
のぼり竜のように勢いよく飛び出している湧き水があるから竜浜海岸と命名されたのか。
と思ったりしたが、そのことを記した看板はどこにも見当たらない。
まさかねえと思いながら、さわってみたがお湯ではなかった。
人けのない海岸で、黙々と湧いては津軽海峡へ流れていく水。
荒々しい風景のなかで、延々と繰り返されている実直さにはこころ打たれる。
なんて、ちょっと大げさだろうか。
この湧き水の正体を知りたくて帰宅してからいろいろ調べてみたら、やはり青函トンネル関連であった。
青函トンネル内で発生している湧き水を、北海道側と青森県側が複数のポンプでくみ上げているとのこと。
その一部が竜浜海岸に排出されているようだ。
排出と言っても、工業用水と違って自然の湧き水をポンプでくみ上げて自然に還しているのである。
外ヶ浜町では「龍飛地区小水力発電所」を建設し、排出水を利用して発電事業を行っている。
発電された電力は、龍飛崎シーサイドパークのバンガローやケビンハウスの電源となっているとのことである。
シーサイドパークから自動車で2分ぐらい走ると、中泊町小泊地区の袰内(ほろない)に入る。
袰内から南側は、津軽半島の秘境である。
火山岩による岩石海岸と、人を寄せつけない急傾斜地と風衝地。
津軽半島のサンクチュアリとなっている。
津軽半島のサンクチュアリである裏龍飛(袰内)から、青函トンネル記念館などがある「表龍飛」方面を眺める。
この大自然のなかに人間は、なんと巨大な人工物をつくってしまったのだろう。
そんな感傷におそわれた。
感傷ついでに、若い頃読んだ太宰治の「津軽」の一節を下に掲げよう。
主人公である「私(太宰治)」が暴風雨のなかを友人と竜飛の集落にたどり着いたときの描写である。
もう少しだ。私たちは腰を曲げて烈風に抗し、小走りに走るやうにして竜飛に向つて突進した。路がいよいよ狭くなつたと思つてゐるうちに、不意に、鶏小舎に頭を突込んだ。一瞬、私は何が何やら、わけがわからなかつた。「私(太宰治)」は大自然を間近にして、自身の非力さを痛烈に感じ、錯乱してしまったということなのだろう。
「竜飛だ。」とN君が、変つた調子で言つた。
「ここが?」落ちついて見廻すと、鶏小舎と感じたのが、すなはち竜飛の部落なのである。兇暴の風雨に対して、小さい家々が、ひしとひとかたまりになつて互ひに庇護し合つて立つてゐるのである。ここは、本州の極地である。この部落を過ぎて路は無い。あとは海にころげ落ちるばかりだ。路が全く絶えてゐるのである。ここは、本州の袋小路だ。
竜飛の集落を、鶏小舎と間違えるなんて。
それとも「不意に、鶏小舎に頭を突込んだ」という自身のおどけた絵を描くことで、笑いをとろうとしたのだろうか。
太宰治がたどり着いたのは竜飛という大自然ではなく、自身の狭い迷路だったのかもしれない。
太宰治がたどり着いたのは竜飛という大自然ではなく、自身の狭い迷路だったのかもしれない。
海岸に沿ってコンクリート舗装の遊歩道が龍飛崎の先の方へ延びている。 |
津軽海峡雲景色♪海岸の奇岩に呼応して雲も奇雲。 |
波の浸食作用よる奇岩。 |
火山岩による岩石海岸。 |
奇岩、バットマン岩? |
津軽海峡雲景色♪♪ |
火山岩でできた灰色の断崖、ディサイトか? |
遠くに小泊地区の権現崎がうっすらと見える。 |
中国方面からの漂流物。 |
バンガローが4棟ある。 |
ケビンハウスが6棟ある。 |
龍飛崎シーサイドパークからちょっと南に下ると、中泊町(旧小泊村)に属する袰内の海岸に出る。岩場を登ったり砂浜を歩いたりしながら、海岸伝いに南西へ進む。ちょうどこの写真の奥の方へ一時間ちょっと進むと海岸瀑である「燕(つばくろ)の滝」があるという。滝の周辺をイワツバメが飛び交っているらしい。干潮時にしか行けない秘瀑。爺には難易度が高すぎて、とても行けない。 |